クオリア(感覚を特徴づける質感)を生み出す神経機構を研究している。クオリアは、人間の主観的体験の本質であるとともに、圧倒的に並列的な感覚プロセスと逐次的な運動プロセスのインターフェイスとして脳の情報処理の中核にある。感覚運動連合や、異なるモダリティにまたがる情報の統合(結びつけ問題)、神経活動による情報コーディングにおける時間パラメータの役割、言語における意味と文法、一回性の体験からの学習、創造性、身体イメージ、他者の心的状態の推定(心の理論)、コミュニケーションなど、多くの脳科学、認知科学の問題群の核心にクオリアがある。心理物理実験、MEG、fMRI などの非侵襲計測、シミュレーション、数理理論などの方法を用いて、クオリアを生み出す脳の神経機構のシステム的理解を目指している。