Paris
[Event Report] Nu Festivalにおいて「Tomonami for KKAA」を国内初展示
[Event Report] Nu Festivalにおいて「Tomonami for KKAA」を国内初展示
ソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)と隈研吾建築都市設計事務所(KKAA)は、2026年6月26日から28日にかけて東京・MoN Takanawaで開催された「Nu Festival」に「Tomonami for KKAA」を共同出展しました。シンガポール・New Art Museumでの展示に続く、国内初の展示です。
Tomonamiはアレクシー・アンドレ研究員による「Creativity Acceleration(創造性の加速)」の研究を通じて創出されたものです。

創造性は「新しいアイディアを考えつく力」と「それらを評価する力」という二つの要素で説明できるのではないかという仮説のもと、そのサイクルをテクノロジーによって加速できないかという着眼から Tomonamiは開発されています。
https://www.sonycsl.co.jp/projects/tomonami/
KKAAとの取り組みと展示内容

「Tomonami for KKAA」は、個々のアーティストに寄り添う形で展開してきたTomonamiの第三弾として、建築という新たなフィールドでの創造性の加速に挑戦するプロジェクトです。KKAAでは、設計初期から「オノマトペ」を用いて、粒子の大きさや流れ、質感といった建築デザインを導く要素を、設計スタッフ間で共有してきました。今回の「Tomonami for KKAA」では、これらのオノマトペをパラメータとしてシステムに反映し、KKAAの設計スタッフたちが自律的に選択肢を探りながらアイディアを創出できるようにしています。
今回の展示では、展示会場である「MoN Takanawa」をモデルにした操作デモを実施しました。来場者がTomonamiのコントローラで「つんつん」「パタパタ」といったオノマトペを操作すると、それに合わせ、よりつんつんした形状や、パタパタした形状などのデザインの建築が画面上で反映されます。あわせて、Tomonamiを使用して制作した3つの建築模型も新たに展示しました。これらは、それぞれ異なるオノマトペの組み合わせから生まれた「ありえたかもしれないMoN Takanawaのデザイン」を具現化したものです。

トークイベント
会期中には、ソニーCSL RPOプロジェクトエンジニアの手島飛鳥とKKAAの喜多啓氏による30分の対談が実施されました。
手島はTomonamiのコンセプトを説明し、陶芸作家吉田幸央氏との事例を交えながら、このシステムが「設計のツール」ではなく「その前段のアイディエーションのプロセスを加速するもの」であることを紹介しました。喜多氏は、「The Exchange」や「アオーレ長岡」など実際のプロジェクトを例に、オノマトペが建築デザインにおけるコミュニケーションの中でどのように使われ、空間として実現されてきたかを紹介しました。

また、展示した3つの模型についても、それぞれのオノマトペの組み合わせと空間的な意図をトークの中で解説しました。案01では、棒状の粒子を「ずれずれ」「つんつん」と配列することで人の動きに呼応する景観をつくり、案02では、板のように薄い粒子が「ぱたぱた」と面を立たせて人の動きを受け止めるような構成とし、案03では、繊細な粒子を「ぱらぱら」「くるくる」と纏わせることで軽やかな表情を与えることを試みました。現在のMoN Takanawaは「ぐるぐる」というオノマトペを主題としてデザインされていますが、異なるオノマトペを直感的に組み合わせることにより、多様な空間の可能性が見出されました。
対談を通じて共有されたのは、Tomonamiが目指すのは手を動かす前の思考のプロセスを支援することであるという点です。また、システムがAIではなくルールベースのプログラムで実装されている理由についても言及があり、現在のAIでは繊細な表現の制御が難しいことに加え、なぜそのイメージが生成されたのかを説明できないためであると語られました。ルールベースであれば、アーティスト自身がパラメータを操作して主体的にイメージを生成するため、その形に至った理由を自らの言葉で語ることができるといいます。
Project Engineer
Alexis André
Related News
Shall We Dance? Resonance of Intentions with an Embodied Agent based on the Free Energy Principle
Interpretable Visualization of Expertise-Dependent Motor Skills Toward Supporting Piano Practice