古屋 晋一リサーチディレクター(東京リサーチ)が、NHK WORLD-JAPANの科学番組「Science View」に出演します。

On Air Schedule
June 17, 2025. 23:30 – 23:58
June 18, 2025. 05:30 – 05:58 / 12:30 – 12:58 / 18:30 – 18:58

詳細は以下の公式サイトをご覧ください。
https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/shows/2015343/

北野宏明 代表取締役社長が、2025/9/24~26(CEST, UTC+2)にかけて開催される「TED AI Vienna 2025」に登壇することが決定しました。

「TED AI Vienna」は、世界中のAI研究者、思想家、実務家が集い、AIの未来と社会への影響について議論する国際的なイベントです。

詳細はTED AI Vienna公式サイトをご覧ください:
https://tedai-vienna.ted.com

Interop Tokyo カンファレンス 2025で行われる講演に笠原研究員が登壇します。

サイバネティックアバターを支える次世代ネットワーク
〜人の身体能力を超えたアバター社会の実現に向けて〜

6.13(金) 14:40-16:00 | RoomYD

現在のインターネットは、現実空間の様々な事象や人間の活動をデジタルデータとして収集・認識し、データ処理や分析を経て、実社会における問題発見・問題解決を支援しています。特に無線通信技術の進化は著しく、人々が空間や身体の制約を超えてあらゆる場所で協力・連携をすることが日常になりつつあります。 一方で、人間がインターネット利用で感じる遅れは、通信遅延はもちろん、デジタル機器のさまざまな処理オーバーヘッドなどがありゼロにすることはできません。しかし、非同期通信や分散処理などを組み合わせて、ネットワークゲームなどでは体感的にはラグの無い通信を実現しつつあります。現実空間においても、主体的実時間性が失われない通信技術によって遠隔地の状況や体験をリアルタイムに共有したり、別の場所にいる人間同士がスムーズに協調作業を可能とする研究が行われています。 本セッションでは、ムーンショット事業の目標1「2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会」の中で研究開発が進んでいる、サイバネティック・アバター(CA)という「もう一つの身体」を通じて、人々が身体の制約を超えて経験や技能を流通・共有・拡張し、より多様で豊かな人生を送れる未来社会について研究者自身が解説をおこない、遠隔アバターによる、誰もが自分らしく社会参画が可能な未来社会について議論します。

Speaker:佐藤 雅明(東海大学 観光学部 准教授)、笠原 俊一
Chair:砂原 秀樹(慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科 教授)

詳細はInterop Tokyo カンファレンス 2025公式サイトをご覧ください。

Mind Music Pjのナターリア・ポリュリャーフ、赤間 健人等による論文がScientific Reportsに掲載されました。

Title : Predicting artificial neural network representations to learn recognition model for music identification from brain recordings
Journal : Scientific Reports
Authors : Taketo Akama, Zhuohao Zhang, Pengcheng Li, Kotaro Hongo, Shun Minamikawa & Natalia Polouliakh
https://doi.org/10.1038/s41598-025-02790-6

Tachira Clubの1/15形状を用いた実建築スケールの検証

平面から弾性変形させて狙った曲面を生成する構造は、堺研究員の研究テーマの一つです。 
このたび、東京大学建築学科建築学専攻 権藤研究室、名古屋市立大学大学院芸術工学研究科 木村研究室 、旭ビルウォール株式会社( AGB )とのコラボレーションにより、この構造技術を建築制作工法に応用する可能性を探る実証実験が行われました。形状はスペインのTachira Clubの屋根を1/15スケールで模したものを採用しましたが、構成するABAFユニットや施工プロセスは実建築への応用を前提としたスケールで制作し、新しい工法によるモノづくりの有効性を検証しました。 
以下、その様子をレポートします。なお、本パビリオンは、2025年3月22日〜29日に東京大学で開催された学会「CAADRIA2025 TOKYO」にて展示されました。 

近年、コンピュータ支援設計(CAD)や構造最適化技術の進展により、複雑な自由曲面の設計が現実のものとなってきました。しかし、こうした形状の建築物を施工する際には、型枠の製作や輸送、再利用といった面で多くの課題が残っています。

本研究では、これらの課題に対する新たな解決策として、自由曲面を効率的に構築するための型枠システム「Auxetic Bending-Active Formwork (ABAF)」を提案しています。ABAF、平坦なグリッド構造を現場で弾性変形させることで、正および負のガウス曲率を持つ自由曲面を形成する技術です。これを建築工程に応用することで、平面形状のまま輸送し、現地で変形させて再利用可能な型枠とすることを目指しています。

今回の実証実験では、スペインの構造家エドゥアルド・トロハによって設計された「Tachira Club」の屋根形状を参考に、1/15スケールのパビリオンを制作しました。制作工程は以下の通りです:

  1. 土台となる木型を作成し、その上にABAGを設置
  2. ABAF上からガラス繊維補強セメント(GRC)を打設
  3. GRC硬化後に、ABAFおよび木型を取り外し

ABAFのユニットは、東京大学、名古屋市立大学、ソニーコンピュータサイエンス研究所の3Dプリンターを用いて成形されました。1ユニットのサイズは約240mm × 200mmで、4~6つ程度のグリッドから構成されています。目指す形状が、盛り上がりから鞍型のようなへこみにかけて滑らかに変化するため、大きく分けて5種類のグリッドが製作されました。

「本件の検討のために、グリッド生成のアルゴリズムも新たに開発しました。グリッドサイズが大きすぎると、GRCが垂れてしまいますし、小さすぎると3Dプリンターでの成形に時間がかかってしまいます。そのほかに曲げやすさ、大きな変形が生じないかといった点を総合的に考慮した結果、今回の形状に落ち着きました。」(堺研究員)

キャプション:成形の様子。これが1ユニットとなる。

この3Dプリンターで成形されたユニットを組み合わせて、1枚の平面形状にし、それを木枠の上に載せます。

更に、GRCを塗布し、ABAFと木枠をはがしてパビリオンは完成しました。

パビリオンの内側にはグリッドの跡が残っている

完成したパビリオンのサイズは約4m x 2.6m x 1.3mです。

本パビリオンの制作にあたっては、ほとんどの工程を学生の皆さんが担当し、約10日間での完成に至りました。比較的短期間かつ専門的な技能を必要とせずに、複雑な曲面構造を構築できることを示すことができました。

自由曲面を持つ建築構造の施工には高度な加工技術や精緻な型枠が必要とされていますが、本工法では、ABAFを活用することで、こうした制約を大幅に軽減する可能性があります。

また、一般的な木製型枠は特定の曲面に合わせて制作され、一度使用すれば廃棄されるケースが多いのに対し、ABAFは繰り返し使用が可能であり、原理的にはユニットを組み替えることで異なる曲面形状を作り出すことができるという柔軟性を備えています。

「これまではコンピュータ上での設計や、掌に載るサイズのモデル制作にとどまっていましたので、このスケールで自らの構造体を実際に形にするのは初めての試みでした。不安と期待が入り混じる中で、1枚の平面から狙い通りの曲面をこのスケールで構築できたことは非常に嬉しく、意義深い経験となりました。
今回の試みによって、実際にパビリオンを完成させることができたという事実、またグリッドのスケール基準が得られたことは、今後の展開に向けた大きな収穫です。構想自体は5年ほど前から温めていたものでしたが、こうして物理空間に姿を現したパビリオンを目の当たりにし、改めてモノづくりへのモチベーションが高まりました。」(堺研究員)

このパビリオンの制作は、東京大学にて開催された、アジアの建築学・都市工学・情報工学のコンピューター支援デザインに関する学会CAADRIA2025 TOKYOの会期中に行われました。

※本研究は、JSPS科研費24K01031の助成を受けたものです。

関連論文
Title:Auxetic Bending-Active Formwork System for Free-Form Continuum Shells
Authors : Nakayama K., Awaji H., Sakai Y., Yoshikawa R., Hayashi S., Gondo T., Kimura T.

日本科学未来館(略称:未来館 館長:浅川智恵子)が行う実証実験公募プログラムの一つとして、笠原研究員の実証実験が行われます。この実証実験プロジェクトでは、人間の質問に答えてくれる便利な道具としてだけではなく、人間と相互に学びあい、ともに成長する共創パートナーとしてのAIの可能性に着目しています

実証実験公募プログラムは、未来館を実証実験のフィールドとして提供し、「来館者とともに未来をつくる開かれた実験場」となることを目指す取り組みの一環です。現在進行形の研究開発や製品・サービス開発に関する実証実験を、未来館でオープンに実施することで、多くの人々が最先端の研究開発に参加し、そのフィードバックを開発や社会実装に役立てることを目的としています。

「話して育てる、AI“分身”科学コミュニケーター」

  • 実施期間
    2025年6月12日(木)~6月19日(木) ※14日(土)、17日(火)を除く
    各日13時00分~16時00分 (体験時間は30分~1時間程度)
  • 開催場所
    5階 常設展示ゾーン
  • イベントページ
    https://www.miraikan.jst.go.jp/events/202506124065.html

詳細はイベントページをご覧ください。


実証実験公募プログラム 初回採択プロジェクトが6月から始動 AIクローン技術の実証など

https://www.miraikan.jst.go.jp/news/press/202506044075.html

(2025/6/4 日本科学未来館 プレスリリース)

フランク・ニールセン研究員が、Springer Natureの学術誌「Information Geometry」への貢献により、Springer Nature Editor of Distinction Awardsを受賞しました。

アレクシ―・アンドレ研究員とTomonamiの取り組みを行っている、𠮷田幸央氏の錦山窯が「JAXURY AWARD 2025」の「美」部門賞を受賞しました。
講談社より5月29日(木)発売の『FRaU』JAXURY MOOKに、𠮷田幸央氏、アレクシ―・アンドレ研究員のインタビューが掲載されています。

https://gendai.media/list/special/jaxury

JAXURY AWARDは、「これからの日本のラグジュアリー」を発信すべく、一般社団法人JAXURY委員会が10の視点から選出するブランド・企業に贈られる賞です。

EXPO 2025 大阪・関西万博のイタリアパビリオンにて行われたイベント「Investing in Lazio: Japan tells Italy in Osaka through the territory」に、北野宏明代表取締役社長とビットリオ・ロレトリサーチディレクター(ローマリサーチ)が登壇しました。

暦本CSOの「Worldview」を公開しました。

Our Worldviews
研究にはその人の価値観、人生観、世界観が反映されます。研究テーマの選び方に始まり、アプローチや展開の仕方など、研究者個々人の流儀がそこに顕現します。これは換言すると、研究者の数だけ、ソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)には「世界観」があるということを意味します。ここではそれぞれ異なった視点で思い描く未来と現在の活動を「Worldviews」としてご紹介します。